ドイツのバイエルンを代表するテレジアンタールのユーゲントシュティール(アールヌーヴォー)の金彩エナメル彩のホックグラスです。 1900年頃のものです。
透明のカリクリスタル地のカップの外側からエナメル彩で鮮やかにきれいな花が描かれています。
エナメル彩は金彩で縁取られています。
カップの真上から見ると花が美しく咲いていることがわかるよう描かれています。
口縁部とフットの縁にも金彩が施されています。
グラス全体を一輪の花に見立て、カップに花が描かれているグラスは1900年頃のボヘミアのマイヤーズ・ネッフェやシレジアのフリッツ・ヘッケルトなどが作品を発表し、ユーゲントシュティール(ドイツ語圏におけるアールヌーヴォー様式のこと)の代表的なデザインとなっています。
テレジアンタールは、この時代(アールヌーヴォー期)が絶頂期で、有名なアーティストたちにグラスの形状やモチーフのデザイン、絵付けなども依頼し、多数の有名な作品を発表しています。
このホックグラスの形状は、今もなおハンス・クリスチャンセンがデザインしたユーゲントシュティールのグラスとして販売されてますが、勿論このような絵柄は1900年頃のものしかございませんし、このような温かみを感じるエナメル彩とは全く異なっています。
テレジアンタールは、1836年バイエルンで創業され、その庇護にあったバイエルン国王ルードヴィッヒT世の妃、テレジアの名前に由来しています。
代々のバイエルン国王や、ロシア帝国最後の皇帝ニコライ2世など王侯貴族から愛された高級ガラスメーカーです。
バイエルンの森の豊富な木材から得られた原料から高品質のカリクリスタルガラスをつくっています。