イギリス
トーマス・ウェッブのクリスタルのボウル6客セットです。
1900年頃のものと思われます。
トーマス・ウェッブ(Thomas Webb & sons)は1869年にウェッブ本人は亡くなったのですが、その後は長男のトーマス・ウィルクス・ウェッブと他の兄弟に引き継がれました。
それからはめざましい発展をし、1878年のパリ万博で金賞を受賞するなど、「Crystal King of Enbland」と呼ばれるほどハイクオリティで世界的にも有名になりました。
また1898年のパリ万博出品時にはフランス政府からレジオンドヌール勲章の栄誉を受けています。
ウェッブはロッククリスタルガラスや、カメオガラスが有名ですが、1900年代初期にはアールヌーボー様式のガラスウェアを制作しています。
このボウルには19世紀に大ブームとなったジャポニスムの影響からか蓮の花がエングレービングされています。
花の茎から下のモチーフは、アールヌーボーらしい大胆な曲線で葉を描いているようなデザインでインタリオエングレービングされています。
また中央部にはカッティングも施されています。
デザイン性あふれる豊かなフィンガーボウルです。
ついでにスティーブンズ&ウィリアムズもこの時期、蓮をモチーフにしたエングレービングとインタリオエングレービングによる花器やテーブルウェアを発表しています。